株式会社秋山製作所
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プロジェクトXプロジェクト計画

「目指せ、プロジェクトX出演プロジェクト」始動


2002.8.8

真円度0.7ミクロン。これってクランクシャフトの偏芯ピン部分での数値です。実は今、偏芯ピン部分の真円度、円筒度が1ミクロンくらいで加工できないかという問い合わせをいただいております。普通に考えればまず、できないと思う。

ところがその前日、てっちゃんは、かの有名なNHKのプロジェクトXを見てしまったのです。そして次の日に某会社へ訪問し、高精度加工の是非を問われたのです。その会社もプロジェクトXに取り上げられたことのある会社であり、そんな諸々のことが、てっちゃんの中で渦巻いて、ついにはプロジェクトXに自分が出演している妄想まで描くようになり、「やってみましょう、やらせてください」になったのです。

まずは現状把握と思い、現在生産しているものを測定してみようということになり、一番精度の厳しい真円度公差3ミクロンの製品を測定してみると1ミクロン、「へっ、」次のを測ると2ミクロン、「う〜む」次は2.3、2.5、・・・そしてついに0.7ミクロンのものが。「な〜んだ、できてるじゃないか」というてっちゃんの軽い声に一同凍結して、「社長、これってほとんど偶然ですよ」とA君。

でもすでにプロジェクトXの出演を画策しているてっちゃんは、「じゃあ、偶然を偶然でなくすればいいじゃないか、1個もできないのをやるのは、たいへんだろうけど。偶然でもできるものがあるんだから、できるってことだろ。」とまあ、こんな軽い調子で始まってしまった恐ろしいプロジェクト、題して「目指せ、プロジェクトX出演プロジェクト」なんだかわけわからん名前ですが、やっている本人たちは、思いっきり真剣です。ご期待ください。

できるわけがない、保証できない

 

2002.9.5

クランクシャフトのジャーナル部、ピン部ともに真円度、円筒度ともに1.3μ以内という途方もない精度へ挑戦することが決まってからというもの、技術文献、専門書等々関係各方面のご協力をいただきながら、できるかもしれないという確信を持ちつつあった。

そんな夢を膨らませつつある時期に、ある機械メーカーの営業マンが訪問された。そこで話題はプロジェクトのことになったのだが、その営業マンいわく、「その件につきましては、後日改めて連絡します」といって話題に触れなくなってしまった。

おかしな奴だなって思いながら数日後、彼からの電話で秋山製作所でやろうとしていることは機械の精度を超えたものであり保証できないと言われました。

てっちゃんは声を大にして言ってあげました。「僕はあなた方に作り方を教えろとか、精度を保証できるのか、といった類のことを一言でも言いましたか?今回のプロジェクトが機械精度を越えていることは百も承知しているんだ。人の気持ちも知らないで自分達の保身に走るな」

まあ、彼らの気持ちもわからないではありません。でも今、秋山製作所が追い求めている精度は本当に厳しくて難しい精度なんだということを実感したことでもありました。

治具、工具の決定

 

2002.9.20

やっと治具図面が確定した。まあ今回の場合、治具精度によって製品精度を上げようという治具ではないのですが、それでもそれなりの精度のものになってしまった。

使用する刃工具も決定した。あとは細部の工法をつめるだけであるが、これは実際に加工しながらのトライアンドエラーになると思う。

治具完成する

 

2002.11.1

治具が完成した。静的精度はOKである。あとは実際に加工したときのバランスが問題だ。クランクシャフトの場合、バランスが悪いため、どうしても加工治具で重量バランスを補正する必要があるのです。

この治具を使って早く加工してみたいという気持ちとやりたくない気持ちと入り混じった複雑な心境です。段々追い込まれてきたような気がします。

できそうだけど?

 

2002.11.11

実際の加工に入った。旋削、穴あけ、ミーリングとそれぞれの工程を検査しながら終えていき、問題の研削工程だ。精度を確認しながら加工条件を選定していくが、なんとかなりそうである。真円度も1μくらいで加工できているし、いいんじゃないっていう安堵の雰囲気が現場に漂っていた。

客先立会いだったけど

 

2002.11.14

今日はお客さまの立会いである。本当に加工できるものなのかを確認に来社されるのだ。てっちゃん的には昨日までのデータで自信満々であったのだが、いざ現場へそして検査室へと案内して、真円度のデータにはお客さまも満足されていたが、円筒度はどうですか?と言われたときから地獄が待っていた。

真円度データは0.5μから1.5μと、まあまあのデータだったのだが、円筒度のデータをみると2μ、3μと悪いデータしか出てこない。まあ普通であればこれも悪くはないのだが、なにしろ要求精度は1.3μである。

何が悪くて円筒度がずれているのかをお客さまと共に解析してみると、軸の先端部の真円度が悪い為に円筒度が悪くなることが判明した。そしてその原因としてセンター穴が楕円になっていることもわかった。

クランクシャフト全体の強度を上げる為に軸断面のXY方向で素材強度を変更しているという説明を受け、それなりの、材料なりの加工が必要なんだということを実感するとともに今後の展開が危ぶまれる日であった。

最初から作り直し

 

2002.11.15

昨日の結果を受けて、今後どうするのか結論を出さなくてはならない。てっちゃんの出した結論は、ゼロからの作り直しであった。

できた

 

2002.11.22

センターリング工程、粗加工工程とすべての工程でセンター穴のアタリを確認しながらの作り直しを進めていく。前回のものがどこでセンター穴が楕円になったのかを探しながらの、まさに手探り状態で各工程を進めていく。

とりあえず旋削加工が終わったところで研削加工のトライをしてみた。センター穴のアタリはOKである。これでダメだとこの先どうしようと思いながら試加工をして検査してみた。

真円度0.5μ、円筒度1μ、できた。とりあえず今日はうまい酒が飲めそうでホッとした。

やっぱりできない

 

2002.11.25

旋削加工後の穴加工、ミーリング加工をすすめて研削加工に入る。問題の円筒度については、解決済みなので自信を持って加工を進めて検査してみると、円筒度3μ。なんで?どうして?またまた目の前が真っ暗に。

どこが悪いのか、またまた解析。するとセンター穴部に穴あけした時の微細バリが発生していることが判明。

真円度、円筒度の向上に効果があるということで使用したR形センタードリルであったが、センター穴の外側でなく、内側でセンターと接しているらしく、穴加工の際のカエリのバリがイタズラをしているらしい。

当社としても、それなりの技術の蓄積があり、それなりの自信を持って”ものづくり”に従事してきたが、まったく過去の蓄積を否定されてしまうことの連続でかなりつらい仕事である。

やっとできたと思ったが

 

2002.12.18

いろいろな難問を克服してなんとか加工が完了した。真円度、円筒度を確認すると1μ以内に収まっている。

よくここまで来たものだと、我ながら自画自賛していると、検査からダメですとの厳しい指摘が。「どうして、さっきデータを確認したぞ」って言うと、研削工程のあとの表面の磨き工程で形状が崩れているとのこと。それも0.5μ〜1μくらいらしい。

今までの経験で磨き工程で形状が崩れるなんて経験がないので途方に暮れて製品を眺めていてあることに気が付きました。この製品の材質はある特殊材料を使用しているが、表面焼入れをしていないのです。

今までの当社で扱っているものは、すべてクランクピンの部分に何らかの熱処理が施されていたのですが、これにはない。そのために今までと同じ方法で表面を磨くと形状が崩れてしまうのです。

新たに磨き工程の見直しが迫られてきました。でももう少しです。なんとか年内に終わらせるよう頑張ってみます。

2回目の納品だが

 

2003.2.17

本日、2回目の納品を迎えた。前回の初回納品時には、結局100本くらいの素材から納品できたのは15本だった。そのなかで完全なる良品となると、たったの2本である。100本削って2本しか良品ができなかったということだ。改めて今回のプロジェクトを思い知る結果となってしまった。

さて、今回の良品だが、完全なる良品はなんと0本である。40本くらいの素材から26本が完成品となったが、検査データをチェックしてみると全数、寸法外という散々な結果となってしまった。

機械加工に関わっている人であれば、理解できると思う、この無念さを。何度も何度も、色々な工法を工順をトライして、何時間もかけて、良品にならないつらさは、味わったものにしか理解できないと思う。

経営者としての、何日間かければ良品ができるんだ、という苛立ちと、技術者として、結果が出せない苛立ちとで、胃にいくつの穴があいたのかと思う。

それでも、こうしてトライし続けることができるのは、発注していただいているメーカーさんの「ありがとう」という言葉があるからだ。通常業務のなかで、我々部品加工業者が納入先であるメーカーからお礼を言われたりするのは、滅多に無い、皆無といっても過言ではない。

ところが、加工の進捗状況の報告をするときでも、時には励まされたり、お礼を言われたりする。自分達の存在意義が認められていることが実感でき、気持ちよく仕事ができる。当社も今後、「ありがとう」を言って貰える仕事ができるように努力していきたいと思うこの頃である。

やればできる

 

2003.5.14

久しぶりの投稿になってしまったが、結論から言おう。それは、目標に向かって努力する姿勢さえ忘れなければ、必ずできるということだ。

今、この高精度なクランクシャフトを30個加工すると、半分の15個は良品になる。不良品と判別した15個にしても、真円度はOK、円筒度で0.1〜0.5ミクロン公差外というレベルである。

もがき苦しんでいるものづくりの現場の様子をお伝えしようと始めたこの企画もこれで最後の投稿になるかと思う。

NHKのプロジェクトXの今井プロデューサーの言葉がナレーションのように頭をよぎる。

「思いは叶う、努力する人を天は絶対に見放さない、思いは叶う」

大勢の応援メール、ありがとうございました。

 

動画「クランクシャフト・シャフト加工」
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